【官能小説】第一話「先生とエッチがしたい……。夏休みの学校で、教室を閉め切って大人のキス」
窓の外からは、校庭ではしゃぐ私の後輩――生徒達の、楽しげな声が聞こえてくる。
蝉が鳴き、サッカーボールが蹴飛ばされ、きっとゴールを揺らしたのだろう、拍手とハイタッチの音がする。
夏休みの、化学実験室。
全てを遮るように、先生が、全部のカーテンを閉め切って、ドアのカーテンも閉め切って、鍵を、かける。
「……本当に、いいの?」
「うん」
「もっとこう、ちゃんとしたトコロで――、」
「いいの! 今がいい! 今、抱いてくれなきゃ……ヤダ」
眼鏡越しに、少しだけ困ったような表情を浮かべる先生に、訴える。
だって、卒業してから、あんまり会えなくなっちゃって。たまに夜にデートしても、実家暮らしの私は、遅くなる前に、すぐに帰されちゃう。
私だって、今日は覚悟を決めて来たんだ。
先生と、一線を越えたい。
官能小説「卒業前から好きだった、化学の先生」第一話
「机くらいしかないし……背中、痛くなるかも知れないよ?」
「私だってもう大人なんだから! あの頃とは違うの!」
「あんまり答えになってないような気がするけど……、」
先生が、実験机の上に座っていた私の方に、歩み寄ってくる。
そして、ぎゅっと、抱きしめてくれる。
補習が終わったばかりで、チョークの香りがする白衣。この学校に通ってた時から、大好きだった。
先生の、この姿を見るのも久しぶりで、ドキドキする。
やっぱり、先生は白衣が似合うなぁ――。
「怖かったり、痛かったり、嫌になったりしたら、ちゃんと言うんだよ?」
「だから、子ども扱いしないでってば!」
「ちゃんと約束してくれるね?」
「……わかったわよ」
そんなこと、あり得ないけど。
見上げると、先生が微笑んだ。
「じゃあ、まずは……これが大人の、キス」
「――っ!」
引き寄せられて、つま先立ちになる。
舌で唇をこじ開けられて、絡め取られる。
舌を吸われ、舐められるたびに、くちゅっ……ちゅぶっ……と水音が聞こえてきた。
「っは……んんっ……――んんっ、んっ……はっ……ぁっ」
「口で息をするんじゃなくて、鼻でしてごらん?」
息継ぎが出来ないでいると、先生が囁いた。
言われた通りにすると、先生を感じる余裕が生まれた気がする。
「んっ……む……んっ」
「そうそう、自分からも舌を入れてごらん」
「っ……んんっ」
言われた通り、今度は先生の口の中に、そっと舌を差し入れる。
その途端、激しく吸い寄せられて、導かれ、ぐちゅぐちゅと唾液が混ざり合って、唇と唇の間から零れ落ちたのがわかった。
「っはっ……」
ようやく解放された時、私と先生の間を、銀の糸が繋いでいるのが見えた。